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Mr. X、映画バイオハザードⅢで難しいショットも容易にこなし、映画製作者のビジョンを実現。

人気ビデオゲーム、バイオハザード(欧米ではResident Evil)はこれまでに3本の映画を世に送り出し、今夏の最新作では目覚ましい興行成績を収めた。最新作において観客をひきつけた要因の一つは、特殊効果ショットに見られる高いレベルのディテールとリアリズムだ。バイオハザードのゲームや映画のファンは、インパクトの強い特殊効果を期待するようになっており、トロントの制作スタジオMr. Xは、この映画の510以上のショットを完成させるうえで、その期待に応える先導的役割を担った。

カナダのトロントに拠点を置くデジタル制作会社、Mr. Xにとって、高い品質が求められる映画制作の世界はすでにお馴染みだ。質的水準を常に高く保ちながら、厳しい時間的制限の中で難しいショットを処理できるのは、彼らのチーム力の強さによるものだ。

「私の経験から言うと、映画制作の難易度はますます高まっており、それに伴う複雑な難問が増えてきています。」Mr. Xの社長であり、バイオハザードⅢ(原題:Resident Evil Extinction)でビジュアルエフェクトスーパーバイザーを務めたデニス・ベラルディ氏は言う。「制作予算は削減される一方で製作者の要求は高まるという、規模と期間に関する古典的な問題は以前のままです。ですから私たちは不慮の状況に陥らないよう対処しながら、製作会社のビジョンを実現できる方法を常に模索しているのです。」

新しいアプローチの選択

バイオハザードⅢに対するニーズに対応するために、Mr. XはSide Effects SoftwareのHoudiniを用いて、制作過程に柔軟性とスピード、パフォーマンスを組み込み、最も複雑なショットへのアプローチ法を変更した。「作業にとりかかる前に、パイプラインをどのように機能させるかについて考えなければなりませんでした。」ベラルディ氏は言う。「Houdiniによって、数々のショットが最良の結果を得られるように、終盤まで想定することができました。」

Mr. Xでビジュアルエフェクトアーティストを務めるベン・シモンズ氏は、Houdiniをセットアップして最終対決シーンを含むさまざまなショットを作り上げた。「最終対決のシーケンスでは、Houdiniを使ってタイラントの触手のモデリングとアニメーションを行いました。」シモンズ氏は言う。「Houdiniでアニメーションリグにワイヤダイナミクスを統合し、次いで、このワイヤを使いタイラントの触手をモデリングして、それぞれの触手がそれら自身とその周辺と関連し合うようにしました。この統合的なアプローチによって、質量や引力などのあらゆるダイナミックプロパティをモデルに適切に組み込むことができました。」

タイラントの触手が部屋の各所や主人公のアリスにぶつかる際、組み込まれたダイナミックプロパティにより、シミュレーションの更新が簡単に行えた。出来上がったシーンは非常に精確で、製作会社やプロダクションチームの意向に沿うものとなった。

「制作時間の短縮化が図れただけではなく、従来のアプローチでは困難であった、アニメーションへのリアリズムの追加が実現できたと思います。また、ショットを繰り返し走らせて、プロダクションチームのあらゆるアイディアをその場で試してみることができました。」シモンズ氏は言う。「Houdiniのプロシージャルシステムの利点は、更新情報をワンクリックでネットワーク全体に伝播できる点にあります。」

統合されたダイナミクス

Houdiniとそのノードベースワークフローの真の威力は、最終対決シーンの環境ダイナミクスを設定する過程で発揮された。Mr. Xが最も注力したことのひとつが、シーン冒頭のアーティストによるコンセプトと構想と対決終結後のシーンに対する映画プロデューサのコンセプトとの間に存在した、特殊効果上の隔たりについての解釈だった。二つのショット間の隔たりは、アリスとタイラントが対決したダイニングルームの床板がばらばらに剥がれ、最終ショットはそのダイニングルームから場を移して対決が終結する、という特殊効果によって埋められた。

「最終対決シーンでは、Houdini 9を使ってダイニングルーム自体を作成しました。Houdini 9では、ダイナミックスネットワークを連結し、二つのネットワークを連携させることができます。」シモンズ氏は言う。「リジッドボディシステムを作成して床のモデリングを行った後、アリスの足元からタイラントに向かって床板がばらばらに破壊されていくように、プロシージャルな破壊シミュレーションを設定しました。」

破壊シミュレーションとフォースダイナミックスの連携が容易に行えただけでなく、この床板の破壊シミュレーションに流体ベースの粉塵シミュレーションを迅速に統合することができた。50種類ほどのダイナミックオペレータを使用して、部屋全体を表すボリュームベースのフルイドの箱を床板のリジッドボディシミュレーションと統合し、床板の破壊に連動してフルイドの箱全体があちこちに移動するというエフェクトを作成した。

「フルイドは直接レンダリングしていませんから、実際に観客が目にするのはこのエフェクトのほんの一部分です。代わりに、移流と言われるプロセスを用いて、パーティクルをAirフィールドに追加し、ダストレンダーをそのパーティクルに対して行いました。」シモンズ氏は言う。「これによって、床板の動きや破壊に粉塵をダイレクトに連動させ、シームレスに順応させることができたのです。」

限界の打破

Mr. XではHoudiniを使用することにより、クリエイティブ品質がとりわけ高い、非常に創造的で複雑な作業をこなすことができたことに加え、チームとディレクタが連携し、各エフェクトについてのディレクタのビジョンを、素早く容易に形にできる制作環境の構築が行えた。

「Houdiniのおかげで制作過程での作業効率化が図れましたが、最大の利点は制作プロセスの変化にあります。」ベラルディ氏は言う。「フォース(force)や発散(spread)、振幅(amplitude)、破片(debris)については、編集過程でディレクタを務めたポールが調整できるように余地を残しておき、打ち合わせの場で彼のイメージ通りにエフェクトを完成させました。」

ベラルディ氏はこのアプローチこそ、ポール・アンダーソン氏が、制作費もビジュアルエフェクトへのニーズもより高い、彼の最新プロジェクトであるデス・レース(原題:Death Race)のビジュアルエフェクト制作をMr. Xに依頼した大きな理由であると考えている。映画制作は非常に個人的な取引で、ディレクタがエフェクトチームに求めるところは最善の結果を導き出すことだ。

「バイオハザードⅢが大手映画会社(ソニー・ピクチャーズ)にとって大成功を収めたおかげで、私たちは、常に競争の絶えない映画業界において、確かな信頼を築くことができました。」ベラルディ氏は言う。Mr. Xがこの映画で収めた成功の所以はディレクタへのアプローチ法にあり、この成功こそ映画制作者としての自信を得るために欠かせないものだと話す。

「ディレクタが自らのビジョンを実現しようとする時、そのクリエイティビティを制限してしまうようなことは歓迎されません。クリエイティビティの限界を打破することが望まれているのです。」ベラルディ氏は言う。「この業界で成功するためには、情熱を持って提案し、チームや使用しているツールに自信を持たなければなりません。Houdiniによってチームの自信は高まり、遠慮なく目標に向かって努力することができました。これが成功の秘訣なのです。」